• テキストサイズ

キメツ学園ー輪廻編【鬼滅の刃】

第34章 静かな暮らし


私の生活は一変した。

朝早くに起きて、アリスちゃんのお弁当屋さんの仕込みを手伝う。私は調理せずにおかずをパックに詰めるだけ。お昼頃になると次から次へとお客さんが来るので、たまにレジ打ちをしたりする。


お手伝いは午前中からお昼まで。あとは私の時間。

本職である絵を描く仕事もまだ続けている。依頼もかなり来ているのでそれをひとつひとつ消化していく。

夕方になると一段落するので、今度は私が描きたいと思った絵を描く。学生時代に使っていた古びた絵の具を引っ張り出して、窓から見える景色を描く。


窓の外に海がある景色が気に入ったので、絵に描こうと思ったのだ。この時間が一番楽しい。私は夢中になって描き進めた。


そんな生活に慣れる頃、私はつわりに悩まされた。アリスちゃんは時々背中をさすってくれた。

そんな時、私はとあることを思い出した。


『近いうちに会えないか?話がしたい』


スマホに残されたメッセージを見てあっ、と声を出した。

やば、忘れてた。そうだ。無惨から言われてたんだ。


「……」


思えば、ここに来てから誰とも連絡取ってなかった。うわ、たくさんメッセージ来てるじゃん。

……難しいなあ。


誰もいないところで一人で暮らしたいと思っても、そうはならないものだ。

ひとまず無惨に電話をかけてみる。出ないかと思ったが、奴はあっさりと出た。


『霧雨か』

「…久しぶり」

『ああ、随分と待った』


……前世の私が無惨と電話してることなんて知ったら卒倒しそうだな。こう慣れたのは陽明くんのおかげかな…。


『文面で送った通り、会いたいと思っているのだが…』

「わかった、じゃあ日時決めよう。」


まるで仲の良い友達みたいに、会う予定をたてた。
/ 1161ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp