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キメツ学園ー輪廻編【鬼滅の刃】

第31章 最後の繋がり


「なんで」


実弥は私に詰め寄り、強い力で両肩を掴んだ。


「なんでこんなことしてるんだ!!」


焦った様子に少し白々しさを感じた。いや、きっと本気なんだろうな。実弥は優しいから。


だからこそ、私は。


「出会えたんでしょ。」

「…は?何言って……。」

「もう私はいらないよ。」


実弥の顔から血の気が失せていく。


「何でそんなこと言うんだよ。お前は必要だって、なあ、。」


いつもの甘い言葉が耳に響かない。

私は絶対的な確信を持っている。これ以上この生活を続けるわけにはいかないのだ。


「だって会えたんでしょ。」

「さっきから何を言ってるんだよ。会えたって誰に…!」


…。

わかってるくせに。


それを、私に言わせるのね。























「前世の奥さんに会えたんでしょ?」


















改めて口にすると、何だか他人事みたいだ。…いや、他人事か。


「………」


実弥が目を丸くする。

何で知っているんだと言わんばかりに。


「だから、もういいよね」


私はにこりと笑った。


「よくない…よくないって、なあ」

「いいって。そんなに優しくしないで。」

「違う、違うんだって。」


私は構わず話を続けた。


「前世の話になるけど、私ね、鬼殺隊解散後も産屋敷と繋がりがあったんだ。嬉しい報せがあると私にこまめに教えてくださったの。……誰が結婚したとか、子供が産まれたとか。だから知ってるの。」


うまく笑えていると思う。

私は今、人生で一番ホッとしていると思う。きっとそうだ。


「…この前…ていうか昨日、見たんだよね。実弥がその人と一緒にいるの。」

「それは…!」

「実弥には、たくさん感謝してる。私が寝たきりになっても、優鈴に告白されても、悲鳴嶼先輩と海に行っても。何があってもそばにいてくれた。本当はすごく嫌だったと思う。ごめんね。」


口からポロポロと言葉が出てきた。

今まで秘密にしていた分が溢れ出たのかもしれない。
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