第25章 不滅の心
さて。
あれよあれよと言う間に数日たってしまった。まあ感んそうを言うとそれなりに快適だった。
鬼舞辻無惨は忙しい。毎日どこかへ出かけるか、家にいても仕事をしている。、それに私に手を出すこともあの日以来なかった。…何を考えているのかよくわからん。
巌勝は私のすることに文句ひとつ言わない。今だってそうだ。
「それで、探し物は見つかったのか?」
「見つからない、ですねー」
堂々と奴のデスクを漁っていてもお咎めなしだ。
「私のスマホどこにやったんだよーーーーー!!!!!」
「うるさい」
そう。スマホ。
ここに来るまでに持っていた荷物は返してくれた。だが、スマホだけはまだなのだ。
「……最低ライン、愈史郎さんか珠世さんとは連絡を取りたいのに!」
「流石に電話番号は覚えていない、か。」
「当たり前じゃない…ていうかあなた秘書なんでしょ!?知らないの!?」
「さあ。秘書とはいえいつまでも張り付いているわけではないからな。今だってそうだ。お前のお守りで忙しい。」
巌勝は私から離れることはなかった。私の行動が無惨にバレているのでは、と思ったが彼は何も告げ口などしていないようだ。
それに定時になったらちゃんとこの家から出て行くし。
「うーん…。」
漁っていた場所を元の状態に戻し、私は考え込んだ。
「無惨は私をここに留めておきたいのよね。」
「そのようだな。」
「…元鬼殺隊、だから?なんか引っかかるのよね。」
そう。得体が知れないのはそこだ。どうして私なんだろうか。そもそも、学園長本人をさらうとか、霞守の子供たちにひどいことをするとか、そんなこともできたはずだ。
それなのに、なぜ私なのか。