第20章 驚きの連続
いつまでも寝ている実弥を置いておいて…。
いや、悪く言うのはよそう。多分疲れてたんだと思うし。普通に仕事もあるのに私のことで気苦労が溜まってるみたいだし。
とりあえず連絡を送ってきた人と会わなくてはならないので実弥を起こさないで外に出た。
私もだいぶ体の調子が戻ってきた。杖や補助がなくても自由に動ける。…そんな長距離は無理だけど!
まあ、連絡で教えてもらった場所はそんなに遠くないんだけど。
と、言うことで。
会いに来ちゃったわけなんですね〜。
「遅い」
場所は某駅前のカフェ。
ちなみに私が朝騒いでいたあのカフェではなく、違うカフェだ。
「珠世様を待たせるとは貴様何を考えている!?」
「………急に連絡してきたのはそっちでしょう。」
ムッとして言い返す。
そこには前世と全く変わらぬ二人がいた。
「ともあれ元気そうでなによりです。」
目の前の二人ににこりと笑いかけた。
珠世さんと山本愈史郎さん。
前世でお世話になった人たち…いや、鬼だった。
「愈史郎が突然連絡をしてしまい、申し訳ございません…。やめるように言ったのですが。」
「いえ!珠世様に何かあったかと思えば夜も眠れませんので!!」
「あはは、お変わりないですね〜。」
…特に愈史郎さんは。
「ていうか、愈史郎さんは何で私の連絡先を?」
「…学園に残された過去の生徒の情報を勝手に見たようです。」
「珠世様を守るために当然のことをしたまでだ。」
「…お変わりないですね〜。」
苦笑しつつ先ほどテーブルに運ばれたコーヒーに口をつけた。
「その様子だと、お前も鬼舞辻無惨のことは知っているみたいだな。」
「…やっぱりそのことか。珠世さんは今、キメツ学園の保険医で…。」
「俺は学園の中等部だ。」
「マジか。」
えーー前世じゃ見た目も中身も私より年上だったのに。
ていうか珠世さんの近くにいるだなんて現世でも愈史郎さんは愈史郎さんだな。