第19章 鬼殺隊の次は
目を覚ますとまだ朝の五時とかで、私は大きな欠伸をもらした。
昨日ドタバタしてて忘れてたけど今日ってお休みの日か。だから実弥ものんびり寝てるんだな。
穏やかな寝息を立てるその横顔に何だかホッとしてしまう。
「……。」
しっかりしないと。
私はこれからも生きていられるかわからない。問題も山積みだ。けれど、しっかりしないと。
今度こそ守るんだ。
もう誰も犠牲にさせない。
そうなるくらいなら、私が。
死人を腕の中に抱くのは嫌だ。動かなくなる様子を見ていたくない。血を流す人を見たくない。
だから守りたい。強くありたい。
絶対。絶対に。
……。
「ぎゃあああああああああああああああ!!!!!!」
私が叫び声を上げると、弾かれたように実弥が飛び起きた。
「はっ!?おい、どうし…」
私はスマホを見ていた。
ワナワナと震える手でスマホの画面を見せた。
「実弥!!駅前のカフェが新作のパフェ出した!!!」
「………は?」
「やられたああぁぁ……!!数量限定かつ期間限定だなんてぇ…当日発表とかずるい!絶対今日は食べられないじゃん!こんなにも食べたいのにいい!!」
うわーんと泣き喚くと実弥は呆れたようにため息をついた。
「心配して損した」
「あっ!私がこんなに悲しんでるのに放置するの!?だめだよ!!今日はかまいたおしてもらうんだから!!ほら!!私をお出かけに連れて行け〜!!!」
「うるせェ。今日はどこにも行かねえよ。」
私はわざとらしくぎゃあぎゃあ騒いだ。
その隙にスマホの画面を暗くした。
いやあ、焦った焦った。
……急に連絡よこしてくるんだもんなあ。