第94章 現代版柱稽古
ということでこちらも稽古開始。
伊之助くん、善逸くん、炭治郎くんはわかるけど…。
「あなたたちも参加するの?」
はーい、と元気に返事をしたのはしのぶ、蜜璃、そしてカナヲちゃん。
「霧雨さん直々に稽古をつけてくれるなんて、すごくレアですから。」
「ん?いや、みんなで一緒にやろうってだけで、私が仕切るとは…。」
縁壱さんを振り返ると、彼はぽやっとした顔でそこに立ち尽くしているだけで何も言ってこなかった。
え?私が取り仕切る感じ?
教えるの壊滅的に下手くそなのに??
「あ…あの…」
「あなたの動きはとても参考になります。なので私も参加させていただきます。」
「……あ、はい」
わかった後で後悔でもしてろ。
「じゃあ、とりあえず私が相手をするので…。1人ずつかかってきて。」
「じゃあ俺から行きますお姉さん!!」
そんなこんなで、またしても私は全員をコテンパンにした。
唯一できなかったのは縁壱さん。引き分けに終わった。
とりあえず全員に一言か二言アドバイスを伝えた。縁壱さんに何か言うことはないかと聞くと、
「さんは不思議な動きをされるので、私ではどうにも…」
と言われた。なんでだ。
「型にハマらないというか…。言語化するのが難しい。どの流派にも当てはまらない剣術です。一体どんな人に習ったのですか?」
「習ったことはないです。」
「ない?…鬼殺隊には剣士を育成するシステムがあったのでは?」
縁壱さんが首を傾げる。
うんあった。あったよ。あったけど。
「ちょっと複雑でして…」
「?」
そう答えることしかできなかった。
南無。