第94章 現代版柱稽古
なんだかとても気まずい空気になってしまった。
「確かに、これでは稽古になりませんね。」
そして縁壱さんの言葉がトドメだった。
「よし、にやられたクソ雑魚ども。お前ら次の稽古までになんとかしてこい。」
「雑か!!」
「アーンアーン!!私たちが何したって言うんですかぁー!!ひどいよお痛いよおー!!」
「心外!!!」
優鈴の言葉に数名がワイワイ文句を言いだした。
だがそれで黙るような男ではない。
「シャラップ!!!!!!」
あまりにもドスの効いた怒鳴り声にまたしても沈黙が広がる。
「敗者に発言権なし!!人権なし!!よってお前らにはペナルティを与える!!」
「鬼!悪魔!!」
「非人道的サイコパス!!」
いろんな野次が飛んでくるも優鈴は気にしない。
「俺がお前らに稽古をつける!!」
「_________は????」
いきなり何を言い出すのかと、私は変な声を出してしまった。
「ごとき倒せないお前らを俺が一から鍛え直してやる!時間がある限りバキバキにしごいてやるからな!!」
悲鳴のような声が上がる中、私は1人でポカンとしていた。
「え、木谷さんだって師範には勝てないですよね…?そんな人に稽古してもらったところで成長するとは思えません。」
無一郎くんが真顔で言うので、私は優鈴のために声を上げた。
「いや、優鈴と私なら五分五分だと思う。」
「ふぇ?」
「一応、私は負けたことないけど…優鈴とは戦闘能力に関してはさほど大差ない。」
無一郎くんがはにゃ?と声を出した。…なんだそれ。かわいいな。
「ていうわけで負けた紅チームは居残り決定。今から俺がボコボコにしてやるから並べ雑魚。」
優鈴の言葉にこちら側のチームのメンバーも震え上がる。相当怒ってるなぁ優鈴のやつ。ていうか、実弥がそっちのチームにいるから居残りになるなら私も帰れないんだけど…。
「稽古かぁ…俺も参加しようかなぁ。」
「え、炭治郎?本気?」
「うん…結局さん任せになってしまったから。」
私が困っていると、後ろから炭治郎くんと善逸くんの会話が聞こえてきた。