第94章 現代版柱稽古
「本日はお日柄もよく、現代版柱稽古をするに打ってつけだね。」
優鈴がうんざりしたように言った。
いやそうにしているその原因は…。
「さっき軽く言ったけど、改めて詳しく説明するね。稽古は二チームに別れる紅白戦形式で、勝ち負け判定はそこかしこに仕込まれた隠しカメラの映像から、学園長に行ってもらう。」
「みんな頑張ってね。」
この説明もみんな聞いているのか怪しい。
「で、紅チームと白チームのくじ引きをしてもらったわけだけど。」
優鈴ははあ、とため息をついた。
「文句は受け付けねーからさっさとチームに分かれて並べ〜?」
「「「「意義あり!!!!!!」」」」
はいはいはい!とそこかしこから手が挙がる。優鈴はさっきからみんなのクレームに頭を抱えていた。
「僕が師範と炭治郎とチームが違うのは絶対におかしいと思います!なんか仕込まれてると思います!もう一回やり直したいです!」
「黙れガキ。」
「俺が冨岡とチームが一緒なのはどういうことだああァァ!!」
「君が引いたくじの色が冨岡くんと同じだったってことだね。」
「俺も冨岡と一緒のチームは嫌だ今すぐやり直せあと甘露寺と同じチームにしろ。」
「知らんよ仲良くして。」
優鈴はみんなの文句にうんざりしていた。それはもうとてもかわいそうだ。
「運命を受け入れてさっさとチームに分かれてくれない?そうじゃないと始まらないんだけど。どうせやり直したって文句言うんだろ、君ら。」
「そうですよ、みんな早く並びましょう?阿国は縁壱さんと別々でも我慢できますよ!」
「えらいぞ、阿国。」
阿国は褒められて破顔する。えへへえへへとご機嫌だ。
それで文句を言っていた人たちはぴたりと黙った。中学生に注意されたことがすごく効いたらしい。
にしても、阿国が敵チームになったか。無一郎くんとも違うチームだし、霞の呼吸同士でやり合うことになっちゃうのかなー…。
縁壱さんが味方なのはすごく頼もしいけど。
「よし、分かれたね。それじゃあ、君たちが前世で使用していた日輪刀の模造刀を配るから、各自取りに来るように。」
優鈴がほっとしたように息をつき、稽古の準備を進めていった。