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Honeymoon

第9章 第三夜…宵闇に溶ける


「遥さん、あの」

彼が立ち止まり、ここで降ろしてくれるのかと思って体を傾けかけた。
それをぐいと抱き直してスカートの中に彼の手が割って入ってきた。

「あ」

「声上げんなよ」

囁いてくるごく普通の、口調。
だけどそれとは裏腹に容赦無くショーツを引き下ろされた。
いくら何でも外でなんて。
まだ人の影も見えるのに。

「い、いやっ」

とにかく下に降りようとして体を捻った。

「丸見えなってんのはそっちだからな。 あと、じっとしてろ」

こんな所で止めて、そう小さな声で抗議した。
だけど聞いていないみたいに遥さんは内腿に指を伸ばしてきた。
軽いタッチでお尻やその周辺を撫でられる。

「………ッ」

高く抱え上げられている私の方からだけ、公園や人の居る向こうの港が見える。
もうすっかり辺りは暗いけど、動いたら見えてしまうのかもしれない。

こんなの狡い。
そんな可愛らしい言葉なんか似合わない状況なのに口をついて出た。

「………!」

足の間に差し込まれた手。
大きな手で秘部を解すように揉んでくる。
遠くの方から学生がふざけ合って掛け合いをしている声が聞こえた。

顔がかあっと熱くなる。
だってこんな行為は週末の街中の喧騒には全くそぐわない。
抵抗のつもりで遥さんの肩を数度叩いた。

「そんな可愛い事されても」

体は私の期待を裏切って。
彼が低く笑いながら侵入してくる指は湿っていて、自分が潤っているのだと物語っている。

それは先程耳元で話された時かも知れない、けど。

「ん」

声、が。
慌てて自分の口を塞いだ。



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