第6章 二夜…裏腹な私と彼
そして私の肌を撫でる彼の舌や唇はあくまでも優しい。
ゆるゆると舐めて先程強く指でされた部分を癒してくる。
彼の肩に置いた手の指先に、つい力が入ってしまう。
骨が太く広い肩だった。
その肩の骨の下の、窪んだ所に指先の力がこもり、軽く爪を立てた。
そんな事をしてしまったからだろうか?
くに、と小さく歯を立てられた。
「ゃぁんッ」
彼は止めない。
目を閉じて味わう様にそこを口の中で暖めながら食べている。
このまま食べられ続けるとどうなってしまうのだろうか。
疼きが高まって、また閉じた脚に力を入れる。
そんな事を彼の下で繰り返していた。
だってそうするとほんの少しだけ、収まる。
それでも完全に覚めるには程遠い。
唇でしごかれたのは指よりも強かった。
だけど濡れていたせいで柔らかな吸盤か何かに張り付かれたみたいだった。
段々と自分の中に収まりきれなくなる感覚は、あの時の波に似ている。
でも、胸、で?