第4章 一夜…恐れと嗜虐
「どこがいい」
先程男に絞められた首を押さえながら彼のものをどうにか受け入れていた。
「ん…ッ」
時折押されると、怖さと違和感にどうしてもシーツに足先が擦り腰が引けてしまう。
男の方もそれ以上は深追いしなかった。
「ここもガキみたいだな」
ただそんな私の反応を鼻白んだ。
そうは言っても他の男性を体に迎え入れた、その事実に私は愕然としていた。
私には決まった人がいる。そんな自身の前提が崩れようとしていた。
だって私は確かに自ら腰を上げたのだ。
この男の、……コレが欲しくて。
「気を散らすな」
束の間に無言だった私を責めるように男が小突いてきた。
そして引く時に上部をこするそれが私のある場所を捉えた時、背筋を何が駆け抜ける。
「あ…ッぁあ」
体から力が抜ける代わりにぎゅうっと内部が彼を締め付けてしまい男が微かに呻いた。
そんな激しい反応を見せた、私に向かって彼がにやりと笑んだ。
自分自身を叱りつけたかった。
男はまた私を横から抱いて的確にそこを責め始めた。
「ぁッ、いや」
最初はゆっくりと、そして一定のリズムと強さで触れてくる。
滑らかな先端が内膜を押して滑った。
離れるか離れないかの内にまた押される。
腕ごと抱き締められて声を塞げなかったせいで、彼が壁を触ったその度に忙しなく喘いだ。
今度は高く焦りを滲ませた、そんな声。
男の堅くて暖かな胸が背中に当たっていた。