第7章 炎柱様への提案
「………………。」
千「………………。」
ぽかんとした顔の千寿郎と目が合った。
「………………あれ?…」
杏「む?」
そう言って杏寿郎も首を傾げる。
桜は混乱しながらも千寿郎にタッと駆け寄った。
『どうしてか猫になったのか分からない…!』
そう小声で伝えると、千寿郎は更に困ったように眉をハの字にさせる。
せっかく猫湯たんぽ問題を解消したと思っていた二人は、少し途方に暮れたような気持ちになってしまった。
杏寿郎はその妙な雰囲気の二人を大きな目で興味深そうに見ていたが、行き詰まった様子なのを確認すると千寿郎の頭に大きな手を優しく乗せた。
「冷めないうちに頂こう!!今日もとても美味そうだ!!!」
その明るく大きな声に、空気がガラッと変わる。
それを聞いてハッとした二人は答えの出ないぐるぐるとした思考を断ち切った。
「「はい!!」」
元気よく返事をして席に着くと、桜と千寿郎は目を合わせて "後で考えよう" というように小さく頷いた。