第32章 ※ちぐはぐな心と体
杏「何がだ。」
「……い、今は…怖い気持ちより体の辛さの方が…とてもとても大きくて……あまり怖いと感じる余裕もないというか…だから、」
それを聞いて杏寿郎は桜の手を退けさせると困ったように眉尻を下げている桜を大きな目で見つめた。
桜は目が合うと赤い顔を更に赤くさせ、両手を胸の前で握って慌てたように視線を逸した。
「か、顔は怖くしないで昨日みたいに笑顔でいてくれたら嬉しいのですが……、あとは杏寿郎さんの好きなようにしても構わっ、」
目の前がよく見えなくなる程頭に血が上った杏寿郎は話を最後まで聞いていられず、桜の肩と顎を掴むといつもより何倍も激しい口付けをした。
桜は杏寿郎の乱れる息と理性を飛ばした様な姿に動揺して目を大きくさせた。
口付けを繰り返しながら杏寿郎はグイッと桜の浴衣の胸元をはだけさせると中に手を入れる。
「…っ!!、ふっ…あぅッ!!」
杏「…はっ…口を離すな、桜。こちらにも集中してくれ。」
杏寿郎は桜の返事を待たずにまた口付けをし始めると 胸を掴み人差し指と親指で先を摘んでグリグリと強く刺激した。