第27章 仲直りとお買い物
杏「うむ。分かった。これからは出来る限り色違いを買わないように努力する!」
その言葉を聞いて桜は若干不安を覚えたが、少し息を吐いて力を抜くと眉尻を下げて微笑む。
その笑みに応えるように杏寿郎も太陽のような笑顔を浮かべると、すぐにバッと店内に向き直って大きな声を出した。
杏「ご主人!!こちらを頂きたい!!!」
杏寿郎は桜の手を引きながら勘定を済ませると店を出るなりリボンを付けようとしだした。
杏「器用な方ではないが髪なら千寿郎に結っていた!任せてくれ!!」
「……はい………。」
桜は道行く人の視線に真っ赤に頬を染めながらも、先程自分の意見を聞いてくれた杏寿郎を止める事ができなかった。
杏「うむ!上手く結べたと思うぞ!」
そう言われて桜がハーフアップに結ばれたリボンを見せながら少し振り返ると、杏寿郎は目を大きくして満足そうに微笑む。
杏「ああ、やはり愛いな。とても似合う。」
「ありがとうございます…。」
そのまま杏寿郎が甘い空気を出して頬に触れようとするので、頬を緩ませていた桜は慌てて道に背を向けるように杏寿郎を動かした。
道の端にいるとはいえ隠しきれる訳ではないので、桜は杏寿郎の暴走を心配して眉尻を下げる。