第26章 ※すれ違い
杏「むぅ。だがとても嬉しそうに締まり続けるぞ。」
杏寿郎は眉尻を下げて不思議そうに首を傾げる。
桜は杏寿郎の強引すぎる行動と それをあまり分かっていない様子に我慢の限界が来て、とうとう大きな声を出した。
「きょ、寿ろッ、」
杏「!!」
「むぐっ」
杏寿郎は行為中ずっと必死に黙っていた桜が大きな声を出した事に驚き、目を大きくして反射的に口を塞いだ。
桜は腰が止まった事で少し余裕を取り戻すと大きな手を口から退かそうと手首を掴む。
(相変わらず動かない……!!)
「ゔーーーっ!」
唸ってぺちぺちと口を塞ぐ手を叩くと、杏寿郎はハッとして眉尻を下げながら手を退かした。
杏「すまない!」
「…はッ…ぁ……杏じゅろ、さん!……さ、さすがに、強引すぎます…ッ!…千寿郎くんに聞かれるのは…時間の問題、です…ッ」
涙を流し 肩で息をしながら必死にそう伝えると、何故か杏寿郎に明るい笑みが戻った。