第25章 嫉妬の対策と変わる関係

その言葉を促す仕草に桜は困ったような笑みを浮かべて杏寿郎を見上げる。




「杏寿郎さん、私が言う事をきくと褒めるように撫でるので…犬や子供へ向けるような愛を恋慕と思い違えてしまっているのでは…と、少し不安になってしまうんです…。」

(お布団の中でさえ躾みたいに叱られたり、褒められたりしたし…。)




杏寿郎はその曇った顔を見て心の内も察した。

そしてしっかりと話すべきだと判断すると、桜の体を自身の太ももに乗せて目を合わせた。




杏「君の事は間違いなく女性として見ている。ただ、俺は独占欲が強いと言っただろう。だから他の者が知らない君を俺だけが知っていたいと思ってしまうんだ。」



杏寿郎は一度言葉を切ると、話がどう繋がるのか分からず戸惑った顔をしている桜の頬に優しく触れる。



杏「勿論、君に嫌われたくはない。君が嫌というのなら止めよう。だが、出来るなら俺の欲を受け入れて欲しい。」


「 "欲" ……？」




桜の不安そうな小さい声に杏寿郎は燃える目を向けた。




杏「君を支配したいという欲だ。」




それを聞いても桜は杏寿郎の考えが分からずに眉尻を下げて瞳を揺らす。