第24章 不思議な縁と晩酌
千「あ!こちらにいらっしゃいましたか!新しいお部屋はここにするんですね。」
煉獄家の者の部屋がある一角と客間の間には 一番大きな廊下が隔たるようにあった為、その廊下を超えてくれた事に千寿郎は嬉しそうに微笑んだ。
杏「うむ!部屋は余っているが、これから遅い時間に任務に出るとなれば 家族を起こさないように俺と同じく玄関から近い部屋がいいと思ってな!別の理由も大いにあるが!!」
「あ…なるほど!」
(確かに結構遅くなったときあったもんね…。)
それを聞きながら千寿郎はまた嬉しそうに微笑む。
千(本当に桜さんはこの家の人になってくれるんだ…僕の…姉上に…。)
千「居間も近くなりましたね。もうすぐ夕餉の支度が整います!腕によりをかけたので、なるべく早くいらしてください!」
千寿郎はそう言いながらとびきり明るい笑みを浮かべると、二人に頭を優しく撫でられてからまた台所へ向かっていった。
桜と杏寿郎はその後ろ姿を見送ると自然と視線を合わせる。
「荷物を移すのは後で構いませんし、冷めないうちにもう行きましょうか!」
桜がそう言って花のように愛らしく笑うと杏寿郎は大きい目を向けながら微笑み、くんっと桜の腕を引っ張った。