第24章 不思議な縁と晩酌
それに桜も笑うと雰囲気を壊す発言をする。
「それで、今日の分の鍛錬は夜やるのですか?睡眠不足なので少し辛いですが、鬼は夜に活動するんですし慣れるには丁度いいかもしれませんね。」
シチュエーションに反する甘さの欠片もない言葉に、同じくそれをおかしいと思う事が出来ない杏寿郎は嬉しそうな笑顔を浮かべた。
杏「ああ、そうだな!鍛錬は毎日せねばあっという間に体が鈍ってしまう。今日はまだ三時間しかしていないから晩酌の酔いが醒めたらすぐに始めよう!」
それを聞くと桜は微笑んで力強く頷く。
「柱合会議が終わればいよいよ任務同行が始まりますね…癒猫様らしい振る舞いもちゃんと練習しないと…!」
そう言うと桜は心配そうに眉尻を下げた。
杏寿郎はその自信のなさそうな声を聞き可笑しそうな顔をする。
杏「ああ、確かに君の演技や嘘は酷く分かりやすいからな!むしろ話さないほうが良いかも知れないぞ。黙って姿勢を正していればユキの姿は実に神々しい!誰も疑うまい!安心しろ!!」
それを聞いて桜は杏寿郎に向かい合うように体を半回転させて安心したような ふわっとした柔らかい笑みを浮かべた。