第20章 ※一人で
杏「……習ったのか?」
「あ、はい。私の時代では…その…、若い子が育てられないのに子供を作っちゃって堕ろしたり、性的な病気が問題になったりして、そういう事も学校で学ぶようになったんです。」
杏寿郎は桜が男性を苦手としている事を一瞬忘れ、男に習ったのかと勘違いをしたのだ。
そして誤解が解けて息をつくと桜の頭を撫で始める。
杏「……すまないが俺も知らない。」
「…えっ?」
同い年の二人は互いに成人。
なのにこんなにも知識が足らない。
「…ふふ!杏寿郎さん、鍛錬ばっかりしてるからですよー。」
桜が自身を棚に上げておかしそうに笑うと、杏寿郎は心外そうな顔をした。
杏「君も大概だと思うぞ!それに俺の方がまだましだと思うのだが!」
それを聞くと今度は桜が少し むっとした顔をする。
「私はちゃんと学校で習ったんですよ。正しい知識です。」
杏「それは紙上の知識だろう。」
「…う………。でも杏寿郎さんだって経験がないのなら詳しいことは分からないんじゃ……。」
杏「友人から生の声を聞いている!」