第19章 特異体質と未来への期待
だが、やはり反応の薄い杏寿郎に桜の表情は段々と残念そうなものに変わってくる。
「杏寿郎さん、くすぐりに強いですよね…。」
残念そうにそう言って、身を引こうとしたとき桜の髪がするっと流れて杏寿郎の首元に落ちた。
すると杏寿郎はビクビクッと体を震わせる。
「…………。」
それを見て桜は目を大きくしたあと、パッと身を乗り出した。
「杏寿郎さんも今、"達した"のですか!?耳じゃなくて首なのですか!?」
そう不思議そうに言われて杏寿郎は少し困った顔をした。
杏「…いや、男が達するときは精液という物を出す。君は本当に何も知らないのだな。」
それを聞いて桜はハッとした。
「い、いえ!それは知ってます!子供を作る為のものですよね。…そっか、欲情と繋がってたんだ…それに達するってそういう意味だったんですね…。」
納得したようにそこまで言うと、次は こてんと首を傾げる。
「あ、あれ…?でも何で女性も……?」
桜は眉をぐーっと寄せた。
「子供を作るのに女性も達しなくてはならないのですか?そうは習わなかった気がするのですが…。」
杏寿郎はその様子を目を大きくして見ていた。