第89章 ※漸く訪れた一夜
「わ、私だってそういう気持ちになりましたよ…。でも杏寿郎さんだってちっとも体に変化がなかったじゃないですか…!」
杏「抑えていただけだ。」
そう言って証拠を示すように杏寿郎は熱く固くなったそれを桜の腹に擦り付ける。
杏「今日は少し余裕が無い。最初は優しく出来ないかもしれない。許してくれ。」
「え……っ、」
歳上になった杏寿郎は基本的にベッドの上でも余裕があり、桜を導いたり翻弄したりしていた。
だが、今の杏寿郎は20歳の頃さながらの欲に染まった荒々しい瞳をしている。
それを見ると桜も時が戻ったような感覚に陥り、セックスに対して急に大きな恥を覚えた。
しかしその表情は今の杏寿郎にとって煽りにしかならない。
杏「君もつられたか。やはりその表情も堪らないな。だが、あの頃は隠してしまっていた君の好い所を俺は既に知り尽くしてしまったぞ。」
そう言うと杏寿郎は親指で蕾の根本を刺激しながら中指を中へ挿れ、桜が好み、尚且つ杏寿郎が育ててきた場所をピンポイントで刺激し始めた。
「あっ、んぅ、んっ!!」
杏「声は大きいままなのだな。……ああ、恥ずかしいのか。これ程すぐに泣いてしまうとは本当に君は愛いなあ。」
桜が自身の口を押さえて羞恥の涙を流すと、それを久しぶりに見た杏寿郎はぞくぞくと身を震わせながら笑みを浮かべた。