第76章 始まるGW
杏「そもそも桜はセーブが上手い方だ!宇髄、君が何かしたのではないのか!!」
天「あーちょっとな。チェイサーにも酒入れといただけだ。にしてもぼんやりなるだけとは地味な酔い方だぜ。この前は、」
杏「どっっせい!!!」
―――ダーンッ
いつの間にかそこそこ酔っ払っていた杏寿郎が天元の顔を掴み、座敷の床に巨体を叩きつけた。
天「……は、はぁぁっ!?何すんのお前!!いってぇ、」
杏「派手が好きなのだろう!!俺が相手しよう!!!」
行「宇髄!!煉獄!!やめないか!!!」
天「ちょ、俺まで怒られてる意味が分かんね、」
杏「すみません!感情を抑えきれませんでした!!」
そう謝る脇で、相撲大会が始まったのかと勘違いした義勇が参加しようとそわそわしだす。
実「伊黒、あの馬鹿止めてこい。」
小「近付けば馬鹿が移る。おい、冨岡。また空気を読まずに出てこようとするな。大体が読み間違いなのだからせめて大人しくしていろ。」
すると義勇は再び傷付いたような顔をした。
杏寿郎は桜に水を飲ませる作業に戻り、天元は機嫌を欠いて酒を飲み、小芭内は実弥と比較的平和に飲みながら蜜璃をチラチラと見つめ、行冥は義勇のフォローをしている。
お酒を飲めないしのぶと無一郎は共に仲良く食べ物を半分こして蜜璃はその8倍頼み、美味しそうに食べていた。
その様子を炭治郎と善逸は呆気に取られながら見ている。
炭「お酒ってすごいなあ。」
善「悲鳴嶼さん見てみなよ。全然いつもと変わらないじゃん。人によるんだよ。」
そんな2人の横で伊之助は食べ物に夢中になっていた。
―――
暫く経ってからパンパンと行冥が手を叩く。
行「未成年もいるので一旦ここでお開きにするぞ。お手を拝借、」
行冥の掛け声に合わせて皆が手を打ち鳴らしたが、天元の側で明らかに大きすぎる音が鳴った。
すると天元は隣りに居た杏寿郎に再びつっかかる。
天「あと数時間後、確実にお前は俺に感謝する事になるんだからな!!」
杏「全くもって意味が分からない!!」
天元は真剣にそう言っていたが、実際のところ "それ" は杏寿郎を苦しめることになった。