第76章 始まるGW
「杏寿郎さん、大丈夫。ちゃんとお水を挟んでセーブしながら飲みます。」
桜はそう言って杏寿郎を安心させるように微笑んだ。
1時間半後―――、
杏「あの言葉は何だったんだ。桜、大丈夫か。水だ、飲んでくれ。」
桜は酷く酔っていたが眠る訳でも騒ぎ出すわけでもなく、只々ぽーっとしながら杏寿郎の差し出す水を大人しくこくこくと飲んだ。
その無防備な様子に杏寿郎の眉尻が下がる。
一方、そんな杏寿郎の表情を見た蜜璃はまたきゃーきゃー言って楽しそうにしていた。
杏「あまり外でその様な顔を晒さないでくれ。桜、聞こえているか。」
天「桜ー!ここに来て俺の膝に座れ!!」
杏「宇髄!!!桜、聞かなくて良い。」
すると桜は杏寿郎を見ながらこくりと頷く。
杏寿郎は意識が飛びかけているものの自身の言う事は聞いてくれる事にほっとした。
実「冨岡がまた潰れやがった。胡蝶お前のだろ、どうにかしろォ。」
し「何か勘違いしていらっしゃるようですが、私と冨岡さんに生徒と教師以上の関係はありませんよ。」
そう否定するしのぶの額には青筋が浮かんでいる。
義「それなら…煉獄の家へ行く。」
実「てめェはどうしようもない馬鹿だなァ。」
案の定、桜は義勇に冷たい視線を送っていた。