第76章 始まるGW
「杏寿郎さん……、プライベートで初めて会えたんですよ。それに弟みたいな存在です。」
杏「彼等はもう高校生だ。」
「むぅ。」
炭「一ノ瀬先…、桜さん!改めてお久しぶりです!!その節は大変お世話になりました!」
「いいえ!でも少しでも力になれたのなら嬉しいな。」
善「少しどころじゃないですよ。俺も癒猫様に救われましたし…。」
「一般隊士さんに信仰者さんが多かったからユキは瞬時に色んなところに現れて大活躍だったみたいね。」
伊「お前老けたか?」
炭「伊之助!!」
「あはは、うん。あの時より2歳上になったよー。」
そんな話をしていると飲み物が運ばれてきて改めて乾杯し直すこととなる。
すると行冥が泣きながら立ち上がった。
行「皆揃った所でもう一度乾杯をしよう。平和な世に生まれ、また巡り会えて本当に良かった。社会的な立場上 表立っては特別に接することが出来ない者もいる。だが今日は別だ。どうか楽しんでくれ。―――乾杯。」
「「「乾杯!!!」」」
蜜「それでそれで、2人揃って遅れた理由って何ですか?」
「あ、えっと、」
杏「両家の顔合わせだった!!」
それを聞くと案の定 蜜璃が嬉しそうな悲鳴を上げた。
「違うの!婚約したとかじゃないんだよ。ただ私の家族も杏、煉獄さんの家族もお互いに話す機会が欲しそうだったから…、」
杏「杏寿郎。」
杏寿郎が前を見据えて微笑みながらそう小さく低い声を出した。
「……はい。杏寿郎さん、でした…。」
そのやり取りを天元と善逸の耳が拾う。
2人は視線を合わせるとげんなりとした顔をした。