第74章 ※力加減
「い、いつから……、だって今日、飲むって…、」
杏「ああ、挨拶程度に飲んで君の為に早く帰ってきたんだ。まさか1人で楽しんでしまっているとは思わなかったぞ。」
杏寿郎はそう言いながらネクタイピンを大事そうに外すとネクタイを緩め、解いていく。
桜は自身がTシャツしか着てないことを思い出すと掛け布団をしっかりと引き寄せ直した。
「今日までは何もしてなかったんです…。でも、あんまり欲求不満になっていたと知られたらと思うと…その……、 」
杏「はは、そうか。溜まるのは君だけじゃない。恥じなくて良かったんだぞ。」
杏寿郎はそう柔らかく言うとシャツのボタンを外しながら桜の側に寄り、抱きしめようとして自然と掛け布団を剥いだ。
「あ……っ」
杏「……………………よもや…。」
視界の端で杏寿郎の昂りが元気にそそり立ってしまったのが見え、桜は真っ赤になる。
「ご、ごめんなさい。こんな風に杏寿郎さんの服を使ってしまって……、」
太ももまで晒してしまっている桜は消え入りそうな声でそう言うと耐えられずに杏寿郎に背を向けて抱き枕に顔を埋めた。