第67章 答え合わせ
杏「内側を見てみると良い。」
「……KYO…"杏、寿郎" と…、 "桜" ……。あの…………これって……、私達は一体……?」
杏寿郎は桜の隣に腰掛けると優しい笑みを浮かべた。
杏「君が思い出すまで言うつもりは無かったのだがな。俺達は前世で夫婦だった。皆が言っているのはその時のことだ。……そして君を失った後の43年間、俺は君だけをずっと想ってきた。」
「…………………………。」
そう言われて桜はキスの動画の2人を思い出した。
そして、『デートをした事がない。』という話は今世だけの話なのだと悟った。
「杏寿郎さんのキスが…上手なのは……、」
杏「上手だと思ってくれたのなら嬉しい限りだが、おれは前世も今世も合わせて君しか知らない。君との経験によるものだ。……もう一度言う。」
杏寿郎の燃える目が桜を射抜く。
しかしそこには先程とは異なる優しい炎が灯っていた。
杏「付き合ってくれ。約束したんだ。来世でも君を見付け出して愛すると。」
桜は温かい涙を流すと何度も何度も頷いた。