第60章 決戦の日
「い、いた!!悲鳴嶼さーん!!!止まって!!悲鳴嶼さんっ!!!」
行「その気配は…癒猫様ではなく桜か。」
巨体に似合わぬ俊足で走っていた行冥は桜の大声に足を止め、近寄って来た。
「上弦の、壱が!!無一郎くんが…っ、戦って……!来て下さいっ」
息絶え絶えにそう伝えると桜は再び無一郎がいた方へ走り出した。
行「分かった。」
行冥も静かな声を出すとその後に続いた。
「実弥さん!!…っ、君、生きてるの!?待ってて……!!」
桜が行冥を連れて戻ってくると実弥が一人で応戦していた。
実弥は幸いまだ怪我を負っていなかったが 手前には両腕と胴を切り離された少年が倒れている。
実「桜っ、治してくれ!!俺の弟だァ!!!」
「……はい!!」
(実弥さん、兄弟は全員死んだって……、)
桜はすぐに治療をしようとしたが、バラバラにされながらも異常な生命力を見せる少年 不死川玄弥に必死に頼まれ、首を傾げながら斬り落とされた腕を体に力強く押し当てた。
すると体がくっついていく。