第60章 決戦の日
それから鬼が完全に消えたのを確認すると桜は毒に侵されたしのぶの体を癒やし、杏寿郎は無惨を探しながら鬼を斬りつつ桜に痣についての説明をした。
「痣が出たら寿命が…?二十五って……、じゃあ…杏寿郎さんは……。し、槇寿郎さんにはこの可能性を知らせましたか……?」
杏「父上は元々痣について知っていた。恐らく炎柱ノ書に書いてあったのだろう。覚悟もして下さっている。」
「……そんな………………。」
桜は決戦中にそんな事を知って頭がパンクしそうになってしまった。
カ「師範、体は……、」
杏寿郎達の後ろを走るカナヲは隣のしのぶを眉尻を下げながら心配そうに見つめる。
し「桜さんに治してもらいましたからね…こんなに軽いのは久しぶり…。仇は直接討てなかったけれど、それでも桜さんが言ってくれたようにカナヲ達の成長を見守らなければね。……カナヲ、勝ちますよ。」
カ「は、はい!!」
し「それで、桜さんとは話せたの?」
カ「……………………。」
し「もう。せめて名前だけでも教えてあげなさい。ずっと知りたがっていたのよ。」
その言葉を聞くとカナヲは目を大きくした後にこくりと頷いた。
そして速度を上げてカナヲが桜の隣へ行こうとした時だった。