第57章 ※聞き分けとお返し
杏「…よもや…………。」
杏寿郎は冷静になってから改めてその姿を見ると悪気無く昂りを一回り大きくさせた。
「…ぅあっ!!……杏じゅろ、くん…っ」
杏「…っ、すまない!!!」
桜の泣きそうな声にハッとすると杏寿郎は漸く桜の腰を下ろしてちり紙を手に取り 顔に飛んだ精液を優しく拭い取っていった。
限界を何度も超えて酷く息を乱し肩で呼吸をする桜は顔を真っ赤にさせながらも杏寿郎の優しい手にほっとすると自身の手を重ね、頬にそれを留めさせた。
「…わたし………死んじゃうかと思ったよ……。」
杏「本当にすまない。かなり無理をさせたようだな。どこか痛むか。具合いはどうだ。して欲しいことはあるか。」
自身もいつの間にか随分と汗を滴らせていた杏寿郎はそう心底心配そうに言いながら労るようにもう片方の手も桜の頬に添える。
すると桜は安心させるように力無いふにゃっとした笑みを浮かべた。
杏寿郎はそれでも眉尻を下げ、桜の額の汗を心配そうに優しく拭った。
「心配しないで。ちょっと……疲れちゃったけど、痛みはないし休めば問題ないよ。」
杏「そうか。それは良かった…。………だが…、酷い状態だ。随分と俺のもので汚してしまった。正直に言うととても唆られる姿だが…これはあまりにも……だが、非常に…、」
杏寿郎は桶と手拭いに手を伸ばしながらも桜の姿を凝視してなかなか清めようとしない。
桜の白く滑らかな肌が自身の欲でどろどろになっている様は杏寿郎の支配欲を刺激していたのだ。