第56章 戦いを終えて
杏「桜?」
「杏寿郎くんって…まだこういう事を他の女性隊士さんにもしてるの?」
杏「していないぞ!!」
「……本当かなあ。無意識にしているんじゃ、」
杏「意識的に距離を取っている!!あらぬ噂がたち君に逃げられるのはもう御免だからな!!!」
「そう…ですか……。」
桜が杏寿郎の言葉に肩の力を抜くと 杏寿郎は口角を上げて桜の顔を覗き込んだ。
杏「名も知らぬ隊士に嫉妬したのだろうか。」
「…っ!……し、嫉妬が嬉しいだなんてまだ思っているのですか?」
杏「すまないがそれは変えられそうにない!わざと嫉妬させる事はなるべく避けるつもりだがあまり期待しないで欲しい!」
「………………………………。」
桜はそれを聞いて言葉を失うと少し遠いところを見る目になった。
杏「桜、どうした。」
「……別に良いですよ、なるべくが出来なくても私には実弥さんがいますから。」
今度は杏寿郎が嫉妬する番だった。
杏寿郎は思わず桜の肩を両手で掴む。