第56章 戦いを終えて
「そうですね…やってみます!ふふ、こちらでお菓子作りは初めてだなあ。」
(ベーキングパウダーやオーブンを使わずに作れるシンプルなものが良いかな…。メレンゲの力を使ったスフレパンケーキとか良いかも。力仕事とも言える手動でのメレンゲ作りは杏寿郎さんに手伝っていただこう…!)
桜はあっという間にツノが立つメレンゲを作ってくれそうな杏寿郎を見て思わず笑みを漏らした。
杏寿郎はそれを見て首を傾げる。
杏「桜?」
「いえ…、手伝っていただけますか?良いものを思い付きました。蜜璃ちゃんに蜂蜜を分けてもらえたら完璧です!」
杏「…文通が続いているようだな。」
遠慮せず当たり前のように頼ろうとする桜を見て、杏寿郎は自身の可愛い後輩と桜が仲を深めている事を微笑ましく思った。
「はい!最近は…、あ……っ、」
桜は嬉しくなってつい『恋愛の話で盛り上がっている』と口を滑らせそうになって自身の口をパッと手で覆った。
その様子に杏寿郎は再び首を傾げる。
杏「最近は、何だ。どの様な話をしているのだ。」
蜜璃が小芭内についてあまりにも素直に熱烈な想いを書き綴る為、影響を受けた桜も随分と素直に杏寿郎への想いや惚気話をしていた。