第56章 戦いを終えて
杏「俺は暑いのでかき氷を頂こう!!桜は何にする!」
「え、えっと…あんみつで!」
桜は無難に定番の物の名を口にしたが、注文を取りに来た女の表情を見るとすぐに自身が失敗をしたのだと悟った。
「あ、えっと、あん、、みつ…みたいな……、」
女「みつ豆でしょうか…?」
「それでした!!」
それがどういった甘味かは分からなかったが桜がそう即答すると女は下がり、杏寿郎は少し申し訳無さそうに眉尻を下げた。
杏「すまない。こういった店は君の時代ではあまり馴染みの無いものなのだろうか。」
「いえ…、そんな事はないのですが 私が知っている甘味がまだ生まれていなかったみたいで少し慌ててしまいました…。でも楽しみです!」
その笑顔を見て杏寿郎はほっとすると微笑み返す。
みつ豆は赤エンドウ豆とパイナップル、缶詰の果物や立方体に切った寒天に蜜をかけたものだった。
「思ったよりあんみつだった…。餡がないあんみつだ。杏寿郎さん、これに餡子をのせると私の時代にあるあんみつになります!」
杏「よもや!そこに餡子を乗せるのか!!」
それが豪快に思えた杏寿郎は驚いたように目を大きくさせた。