第55章 遊郭に巣食う鬼
(上弦……鬼…猗窩座……、)
桜は一瞬嫌な想像をしたがすぐに頭をふるふると振ると一人になった炭治郎の元へ走り、傷を癒やしていく。
炭「ありがとうございます!俺も煉獄さんの加勢に行きます!!」
「気を付けてね!!」
その言葉に頷くと炭治郎はすぐ駆け出した 。
妓「何なんだお前はあ…っ、どこを見ている、何で笑ってるんだああ!!」
妓(こいつ…っ、 "参" が取り逃がした柱だ…!!)
杏「君に俺の表情についてとやかく言われる筋合いは無いぞ!!」
不敵な笑みを浮かべる杏寿郎に押され気味になっていた兄、妓夫太郎に堕姫が焦って援護をしようと帯を操る。
しかし、ユキの治療を受けた天元と善逸、伊之助がそれを阻んだ。
善「雷の呼吸、壱ノ型―――霹靂一閃、神速!!」
善逸は見た事の無い速さと威力で堕姫に斬り掛かるもその首は柔らかく千切れ始めてはいるもののなかなか斬れない。
杏「宇髄!!目が覚めたのなら此方へ来てくれ!!!」
杏寿郎の声は焦ったものではなかったが、必要性を感じた天元は善逸と伊之助に堕姫を任せて妓夫太郎と杏寿郎、炭治郎の元へ走った。
天「って、何でお前は参加してねぇんだよ!!ふざけてんのか!!!」
杏「いや、これは本来なら俺が参加しない戦いだったのでな!!竈門少年が戦線復帰したので成長の邪魔をしないようにと任せていただけだ!!!」
天「はぁ!?」
剣を納めている杏寿郎の見守る先で炭治郎は明らかに苦戦している。