第55章 遊郭に巣食う鬼
天「はぁっ!?てめーらコラ!誰に口利いてんだ!!俺は上官!柱だぞこの野郎!言うことを聞け!!」
炭「俺はあなたを柱だとは認めない!!」
天「お前が認めないから何なんっ、」
「せめて!誰か一人、信頼できる鬼殺隊士である彼らのうち一人を置いていって下さい!」
桜の懇願に天元は面倒臭そうな顔を向ける。
天「駄目だ。なるべく三人は欲しい。それにこっちはお前と違って命が懸ってんだ、分かってんのか?」
「……っ」
杏寿郎に届く天元からの手紙がどんどん短く余裕の無いものへなっていた事を思い出した桜は 三人の嫁の事を想って言葉を詰まらせた。
それを冷めた目で見下ろしていた天元は暴れる三人を軽々と担ぎ上げると部屋を出て行った。
「…あ、……っ…、……………ッ!!」
桜は部屋の外に居た若い男性に心配そうに見つめられるとダッと家を走り出て天元に駆け寄った。
天「……なんだよ、来たのか。結局来んならさっさとしろよな。」
「…宇髄さん、後で杏寿郎さんと喧嘩になりますよ。」
天「はっ!俺様が負けるはずねぇだろーが。」
(杏寿郎さん遅いな…。ケンタ…ちゃんと伝えられてないの…?)
桜は自身の体力自慢をする天元を無視して空に目を遣った。