第54章 嵐前の日常
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善「ふー助かったぁ…。炭治郎。今日は桜さんいないし、ここから近いしさ、蝶屋敷に行こう。その足であまり無理しないほうがいいよ。」
炭「うん…ごめん。そうしてくれると助かる。伊之助も無理しちゃだめだ。蝶屋敷へ行こう。」
伊「俺はそんなヤワじゃねえ!!」
言い合いながらも伊之助を含む三人は蝶屋敷へ寄り、そのままそこでお世話になった。
そして日が高く昇った頃、蝶屋敷へ遅れて運び込まれてきた重症患者を見たしのぶは急ぎ煉獄家へ行って桜を連れて来た。
「…っ!酷い傷…よく耐えてここまで来ましたね。」
桜はそう労る様に声を掛けながら優しく傷を撫でていく。
隊「…は、あっ……あれ?…俺、助かって……?」
「はい。もう大丈夫ですよ。」
そう言って桜が微笑むと隊士は顔をパッと赤らめる。
そして指輪に気が付かないまま手を握ると喉をこくりと鳴らした。