第53章 ※不自由な夜
杏「桜、正直に言うと先程から腰を動かす事も胸に触れる事もかなり堪えて自制している。せめて隠さないでくれ。」
「う…ぐ、」
桜は杏寿郎から触れてこない事がどれだけ厄介な事なのかを改めて痛感すると思い切った様にパシッと杏寿郎の手を掴む。
「頑張るけど…、たぶんとっても下手だと思う。どうしたら良いのか助言してくれると助かります。」
そう固い声で言うと桜は杏寿郎の手に自身の手を重ねて胸をぎこちなく揉み、もう片方の手を杏寿郎の胸に置いて目を瞑りながら腰を動かし始めた。
ようやく始まった行為とその光景に杏寿郎の口角は自然と上がる。
杏寿郎は片手を後ろについて軽く体を倒し、羞恥に耐えて頑張る桜の姿全体を眺めるとメキッと額に青筋を浮かべた。
杏(この光景だけを見るとまるで俺が桜に襲われてしまっているようだな。起きた時にこうされていたら良い目覚めになりそうだ。)
杏「桜、その動きだと疲れるだろう。前にした時の様に腰を据えたまま前後に動かしてみると良い。」
「え…………、うん。」
出し挿れした方が良いのだろうと思って上下にぎこちなく動いていた桜は言われるまま前後に腰を動かし始めた。