第47章 ※前途多難
杏「それでは何を言っているのか分からないだろうな。」
その言葉に違和感を感じた桜は動きを止める。
(杏寿郎くんならストップかけてるって分かるはず…。言い方も他人事みたい……。)
話をしようとした桜は杏寿郎の手を退かせようと両手で掴んだ。
しかし再び杏寿郎が指を動かし始めると手の力は嘘のように消えてしまう。
その様子に杏寿郎は再び眉を寄せた。
杏(桜は本当に非力だな。結局恐怖から股間を蹴ることも忘れていた。以前腰紐を抜かれた後に着直したと言っていたが、はだけさせられた場合も元に戻せるのか。)
杏寿郎は自身の険しい顔を見て不安そうにする桜を燃える瞳で見つめると腰紐を抜かずに浴衣をはだけさせ、胸元と太ももをぎりぎりまで晒す。
そして桜が冷静さを欠いている場合 誰でも見れてしまうかも知れないその姿を見ながら体の内で熱く燃える嫉妬と焦りを持て余したのだった。