第47章 ※前途多難
杏(この泣き顔に煽られるのは俺だけではない。震え怯える桜を見てあの男はあからさまに喜んでいた。)
杏「桜。恐怖に支配されれば制御が出来ないのかも知れないが、なるべく他の男の前では涙を見せるな。先程の様な男を喜ばせる。」
それを聞いた桜は以前 自身を襲った男が同じ様な事を言っていた事を思い出した。
桜はすぐ素直に頷いたが眉尻は困った様に下がっており杏寿郎は煽られたままであった。
杏(桜を思い遣って伝えているというのに、これではまるで怯える桜に無理矢理言う事を聞かせているような気分になる。)
杏寿郎は喉を鳴らすと桜の浴衣をはだけさせて秘部へ手を伸ばし、少し荒い色を孕んだ瞳で桜を見つめる。
杏「胸を弄られただけで随分と蕩けたな。愛いぞ。」
そう言うと更に眉尻を下げ、桜は目を閉じた。
するとツーッと涙が流れる。
杏(俺が今夜此処へ来なければこの泣く様を今、あの男に見られていたのだろうか。)
そう思うと同時に指を増やす。
すると桜はパッと目を開いて首を振りながらくぐもった声を出した。