第6章 おやすみ、またいつか ※
「・・・ああ・・・・・・うまいな」
「でしょ?もっと、食べてください」
「・・・・・・うまいな、俺は幸せだな」
鼻の奥が痛い。
それを堪え、私は不器用な笑顔を浮かべる。
限界だと判断した私は、一口しか口を付けられなかったスープ皿をテーブルへ置き、そしてそのままリヴァイさんの体を支えるようにして立ち上がった。
犬を飼うか?
猫でもいい。
セイラが一人でも寂しくないように。
そうやって笑った昼過ぎを思い出し、口端を噛み締めるようにしてリヴァイさんを運ぶ。
リヴァイさんも足を一歩ずつ動かし、やがてたどり着いたベッドで大きく腕を広げてみせた。
「セイラ、一緒に寝てくれ」
「ええ、そうですね」
「・・・・・・」
掛け布団を剥ぎリヴァイさんを横たえ、私もとなりへ入り込む。
リヴァイさんは私にいくつものキスをし、私はそれに応えていると、必死に眠りに抗おうとしているのが見えた。
次第に落ちそうになる瞼を必死に持ち上げ、愛を囁こうとする。
簡単に落ちてしまえば楽になれるはずだというのに、どうにかしがみつこうとする。
私はそんなリヴァイさんを見下ろし、そして・・・一つ息を吐いた。
まっすぐに黒い瞳を覗き込み、柔らかく髪を撫でつけながら。