第5章 呼んで、動いて、見せてよ
「・・・パン、固いでしょう?」
「スープと一緒に食べる」
「そうですか」
カチャンと金属のぶつかる音、そして咀嚼する音。
一人では感じることのできない、他人の存在感。
「・・・したいことは?」
「セイラを抱き締めたい」
「・・・それ以外には?」
「・・・セイラと雪を見たいな」
外へ出るにもこの雪だ。
どうせどこに行くことも出来ないことは分かっている。
それならば暖かい家にいた方がいいのかもしれない。
空になったスープのお皿と、グラスを洗い場へ持って行く。
リヴァイさんの食べる量は減った。
そしてその体は一回り、もっと小さくなった気がする。