第5章 呼んで、動いて、見せてよ
「ああ・・・雪か」
ぐっと伸びをし、窓の外を見たリヴァイさんが誰に言うこともなく告げる。
私はその横に立ち、「そうですね」と相槌に打った。
しんしんと降り積もる雪は何もかもを覆い被し、隠してくれそうだった。
この心の中に芽生える思いも何もかも・・・。
・・・隠してくれればいい。
「・・・積もりそうだな」
「はい・・・だから食糧は買い込んであります」
「雪の中に取り残され、閉じ込められ・・・俺ら二人にとって願ったりかなったりの空間だな」
どういう意味ですか?
そう問おうと顔を上げた私の唇に、かさついた唇が触れた。
そっと重なり、黒い空から舞い降りる雪のように柔らかく、だが確実に力強い生命力を与えてくれる口付け。
ああ、とても好きだ・・・。
募る思いは大きくなる一方だ。
そんな私の思いに応えるように、リヴァイさんは何も言わず私の唇を吸い、きつく抱擁し合った。