第4章 壊したい時間、過ごしたい時間 ※
食事と、その後の穏やかな酒を酌み交わす。
久々に注ぎ合った酒は甘く喉へ絡みついている。
その空気が変わったのは、暫くしてからだった。
「セイラ」
リヴァイさんの耳触りのよい声が私の名前を呼ぶ。
暖炉の前でテーブルを挟み座っていた私に、傍に来いと言っているにが分かった。
「・・・・・・」
「・・・・・・セイラ」
重ねて名を呼ばれ、私は暫くしてから立ち上がった。
リヴァイさんの傍に立つと、何とも言えぬ優しい空気を漂わせたリヴァイさんが居た。
私はそのリヴァイさんの頬を拳をべたりとはりつけ、リヴァイさんはそれ以上何も言わず私だけを見る。
小さなランプに照らされるリヴァイさんの頬を幾度も幾度も撫でながら、私の腰に回される腕に吐息を零した。
ああそうだ。
私は・・・・・・。
「セイラ、俺が欲しいか?」
「その言葉、そっくりそのままあなたに返します」
「俺は欲しいぞ。お前のことを食い散らかしてしまいたいくらいにだ」
「散らかさないでください。綺麗に食べてください」
言葉遊びのように交わす会話。
リヴァイさんの膝に乗り上げた私のシャツの裾から拳を差し入れ、シャツの上から胸元を吸われる。
びくりと跳ねた体にリヴァイさんが薄く笑っているような気がした。