第4章 壊したい時間、過ごしたい時間 ※
チキンのブイヨンで野菜スープを作った。
チキンは数日に分けて食べる予定だ。
今日は皮の部分をカリカリに焦がし、キノコを焼いた上に乗せ、ソースをかけた。
野菜が中心の皿は寂しいものしかない。
それでも美味しそうにリヴァイさんは食べてくれる。
酒も開け、グラスに注ぎ、グラス同士をキスさせた。
鈍い音と滴りそうになる赤い色。
私はその安酒を一口飲み、リヴァイさんにパンをすすめる。
「・・・うまいな」
「一緒に作りましたからね」
「俺はセイラにキスしていただけだが」
「・・・あなたのせいで、耳が取れそうです」
幾度もキスを落とされ、いたずらのように舐められた耳が熱い。
濡れた音に敏感になる体に笑うリヴァイさんの腕を取り、どうにか食事の準備を終えた私は、リヴァイさんに食卓へ運ぶように促した。
穏やかな時間だった。
こうして毎日過ごすことが出来ればいいと思う。
何も悩むことなく、ただ互いの存在を感じながら。
「セイラ・・・ご飯が済んだら」
「・・・・・・はい」
「てめぇを食べつくしてぇんだが」
「・・・恥ずかしいこと言わないでください」
「俺にてめぇの時間をよこせ」
「・・・了解です」