第3章 憎くて、愛おしい
幾度も船をこぎ、頭を振ってはすぐにまた眠りに落ちそうになるリヴァイさんを力を込めて支えた私は、リヴァイさんの体温に包まれながら一歩ずつベッドへ向かった。
冷えた部屋は私の心のようだ。
ベッドに入れば二人で身を寄せ合うんだからすぐに暖かくなれるな。
そうやって笑ったのはいつだっただろう。
ここにも火元を持ってこないと・・・リヴァイさんが・・・。
眠り続けることになったら、それこそリヴァイさんの体は冷え切ってしまうのではなかろうか。
過る不安は数え切れず、それが全て取り越し苦労であればいいと幾度願ったか分からない。
「ほら、ベッドですよ。ゆっくり眠ってください」
「・・・ああ・・・・・・とても眠いんだ・・・・・・」
「知っています。気にしないでください。本のページもきちんと見ておきます。だから眠ってください」
ベッドへ小さな体を横たえ、ギシリと鳴くベッドに目を細める。
冷たいシーツの上に体を横たえたリヴァイさんからカーディガンをどうにか脱がし、床へ投げ捨てる。
落とした傍から熱を奪われていくそれに包み込まれたい誘惑を覚えながら、私はじっとリヴァイさんの顔を見下ろした。