第3章 憎くて、愛おしい
「んぅっ・・・リヴァイさ・・・ね、ねぇっ・・・」
押し付けられる唇の熱さ。
求められる熱の深さ。
空の色と光と、それから・・・。
くらくらと目眩しそうになった私は、ようやく解放されたキスに、口許を拭いながら乱れた呼気をどうにか整えようとする。
誘導されるように木陰へ移動し、そこへ座り込んだ私は、髪をくしゃりとかきあげ、心臓の音を押さえようとする。
「もうそろそろいいかなー」
「ああ、すまないな」
「どうせ私はそこらへんの木と同じだから、気にしてくれなくていいよ」
嫌みを込めているはずの言葉だが、リヴァイさんはフッと笑い「ああ、てめぇは木だからな」とか言っている。
全く脳内までおめでたい人だ。
そして見上げた空は高く、私はゆっくりと光を見つめる。
「ほら見てよ、このキノコ」
すさまじい配色のキノコを見せてきたハンジさんに思わず顔を歪めそうになる。
なんとも表現しがたい見るからに毒々しい色合いのそれは、どこに生えていたのか。
「これはね。あっちの・・・・・・」
指差した方向を向くリヴァイさんと口端を拭いながら視線を落とす私。
小さな熱に心臓を大きく鳴らしながらも、リヴァイさんとハンジさんが揃ってそちらへ向かおうとする様子を見守った。