第3章 憎くて、愛おしい
「いいよ。明日の夜まで待ってるから。存分に可愛がってもらっておいでよ」
「そ、そんなんじゃありません」
自分で言ったにもかかわらず咄嗟に言葉を返しながらも、それを期待してしまっていた自分がいるのも事実だ。
少しでもいい、ひとつでもリヴァイさんの欠片がもらえるのならばと。
がっついている自分が格好悪いと言われるかもしれない。
それでも今はよかった。そうだとしても、私は・・・・・・。
小さくノックをする。
この数分の間にも眠ってしまっていたらと心は騒ぐ。
「リヴァイさん、入りますよ」
「ああ、いいぞ」
返事が聞こえ、鼻の奥が痛みそうになった。
私はそのまま扉を開き、入った直後にきつい抱擁に息を飲んだ。
「り・・・うぁ」
「ハンジは?」
「外に・・・泊まっていくそうです。ご飯は準備してあります。リヴァイさんはどうしたいですか?」
「そうだな。とりあえずキスをして、出掛けるか」
「それはいいですね」
秋の食材を拾いに行こう。
そのまま夕飯を食べて、寝室は別でな。
そう告げられ、そっと唇を奪われる。
私は唖然とし、直後に笑い、そして抱きついた。
リヴァイさんの香りがする。
そして、私たちが夜を過ごせるまで起きていようとしているのが分かった。