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眠りに溺れる者【進撃/リヴァイ】

第2章 捜査開始





「向こうはどうだった?」


日が傾き始めた頃、家へ戻った私を迎えたのはリヴァイさんのハグだった。


強い腕の力に身を任せ、私の背骨が軋みをあげそうだった。


そしてそんな彼の背を抱きしめ、左腕に頬を擦り寄せる。



「ただいま、リヴァイさん。何時に目覚めましたか?」



とりあえず大切なことを確認する。


リヴァイさんに彼の眠りの詳細をメモしてあるノートを見せて以来、私がいない時には自分なりに管理をしてくれているようだ。



「一時間ほど前だ」



となると、五時間は眠っていたということか。


足元に置いていた荷物を手に、ゆっくりと歩き出す。


共に過ごすための家へ入ると、どちらともなく唇を寄せ、互いに互いの帰宅を喜ぶ。


ふわりとまとまりつく風の柔らかさに目を細め、ぶつけ合うように暫し唇の弾力を感じあった私たちは、共に部屋に入った。



「今は眠いですか?」

「たくさん寝たからな。どちらかというとスッキリしているな」

「そうですか、よかった。お腹は?」

「なにか作るか」

「そうですね」



目覚めてくれているこの時間が大切なんだ。


私にとって何よりも大切で、何よりもいとおしい時間だ。


いろいろ食べさせたいものがあり、少し贅沢かと思いながらも買い集めていた食材に、そんなことよりもさっさと戻ってきてほしいとリヴァイさんに言われたきがした。



間違いない、私もあなたと過ごしたい。



レンズ豆とトマトのスープ、庭でとれた野菜をベースに作ったサラダ。


パンは町で買ってきたものがあり、手に入ったベーコンを少し火であぶれば食事の準備は完了だ。


スープは昨日から煮詰めたもので、とろりと柔らかくにえている。


固めのパンを浸しながら食べれば、何よりのご馳走だった。


リヴァイさんは幸せそうに笑い、その笑顔が永遠に続けばいいと私は願う。


ささやかな幸せが今ここにあり、私はその幸せな時間をひとつひとつ記憶に刻み付けるように味わっている。


涙など出るはずもない、今はただこうして共に過ごすことのできること、そしてそこから広がる可能性を考えようとしているのだから。


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