第2章 捜査開始
「セイラ、お前まで良かったのか?」
「私の心臓は、昔あなたに捧げました。傍にいさせてください」
なにもかもが終わってからならばどれ程良かっただろうか。
一瞬落ちる意識と、それが戻るまでの時間。
それは日によってはまちまちであり、私はそんな彼が眠りについた時を見計らうように出掛ける。
本当はずっと傍についていたかったが、そうもいかず、出向いてはリヴァイさんの症状をハンジさんに伝え、兵団内の話を聞く。
ハンジさんが今はリヴァイさんの仕事までやっており、「ほんとリヴァイはすごいよね。私なんて代打やってるだけで死にそうだよ」とあっけらかんと笑って見せた。
人類の勝利と共に得た自由のため、ハンジさんたちは忙しく動いているということだ。
リヴァイさんは時を選びこの病にかかったのかとと言いたくなるほど、唐突に私たちの戦いは終わった。
今は人類の未来のために働いているというべき状況だろう。
腑抜けになりそうなものだが、そうでもなく目まぐるしい時間のなかで過ごしている。
私はリヴァイさんと隠居のように身を潜め、小さな家で暮らしている。
目覚めている時間は本当に大切な時間だ。
私はリヴァイさんの今持っているすべての時間を奪うようにして生活しているのかもしれない。
彼が少しでも長く目覚めてくれればいい。
そう身勝手な願いを持ちながらー。