第2章 捜査開始
「リヴァイさん」
「・・・・・・ああ・・・すまない」
うつらうつらするリヴァイさんの頬へ手のひらをあてがい、視線を合わせる。
椅子に腰を掛けたまま眠りに溺れたリヴァイさんは薄く笑い、子供のように目元を擦った。
「なにしてるんですか」
ペンのインクがついてたらしく、目元に盛大な黒い筋ができていた。
あまりに滑稽なメイクに私は笑い、リヴァイさんはきょとんと目を丸くした。
その一瞬見せる表情の幼さに、声をたてて笑う私は、目元に溢れそうになる涙を指でぬぐい、ぬぐいながら告げる。
「セイラ」
「リヴァイさんあなた、自分でも分かっているんでしょ」
「・・・・・・」
「あなたの中の何かが壊れ始めています。そろそろ潮時です」
これでもギリギリまでよく耐えたと言えるだろう。
移動はすべて馬車に変更し、そのなかで眠りにつく、一度眠ればなかなか目覚めてはくれないため、私はそんな彼のことを時に優しく時に厳しくたたき起こしては、彼の覚醒を促す。
眠る時間は以前よりも驚くほど増えている。
そしてそれを彼も感づいているはずだ。