第2章 捜査開始
「次第に眠る時間が増えていく。彼は恐れ、怯えながらも彼女の傍を離れることはなかった。ただ彼女の傍にいることを望み、そして・・・・・・」
そして、目覚めなくなったようだ。
ぼんやり見えるその結末に、私はなにとも言えぬ表情をしていたのかもしれない。
詳細までは言わないけれどと話すハンジさんの声は右から左へ抜け出ていく。
私がほしい答えがそこにあったのかもしれない。
そうなのかもしれない。
そんなことは分かっている。
だが求める答えと共に私の傍までくるのは、間違いなく望まざるものだろう。
「多分、発症して数ヶ月の間のことだと思う。眠る彼女を眠ったと見なすか、死んだと見なすか・・・
そう悩んでいたある時、深く息を吸い、吐き出した彼女は幸せそうに微笑み、そのまま永の眠りについたらしい」
死んだと言うのだろう。
そしてそこにある答えは、リヴァイさんにとっても、私にとっても決してありがたい話ではないことが分かった。
「ハンジさん、あなたはどう思いますか?」
「リヴァイがこの病かってこと?」
イエスともノーとも言いがたいなんとも言えぬ空気が私たちを包み込んでいる。
乾いた唇をぺろりと舌で湿らせ、その他の資料としてハンジさんが持ち込んだものへ視線を落とす。
そうであってほしくはないという思いと、原因の分かってほしいという矛盾した心。